泌尿器科

泌尿器科では,尿路(尿の流れる路)と男性生殖器に関係する臓器の病気を取り扱います。女性では尿路のみの病気を扱います。

排尿障害や尿失禁などの生活の質に関わる疾患も多く扱うのが特徴です。病気の心配があるようなときは、どうぞ泌尿器科を受診されて下さい。

泌尿器科のご案内

泌尿器科では男性では尿路と性器の病気を扱い、女性では尿路のみの病気を扱います。尿路とは泌尿器と呼ばれ、尿を生成する腎臓から尿が送られる尿管、尿が溜められる膀胱、尿が体外へ出される尿道を言います。

男の性器とは精子が作られる精巣(睾丸)、精子が送られる精巣上体(副睾丸)、精管、精子が溜められる精嚢腺、精子の成熟、運動などに関係する精液を作る前立腺、射精により精子を体外に出す陰茎を言い、これらの臓器の病気を泌尿器科で扱います。

この他男女とも腎臓のすぐ上にあるホルモン分泌臓器の副腎やその周辺に生じた後腹膜腔の病気を扱います。但し腎臓の病気の中で腎炎とかネフローゼと言われる、両側腎に同時に病変が現れるものは内科で扱われます。

腎不全による透析療法は、施設により泌尿器科、内科、外科でも行われています。以上から、泌尿器科ではこれらの臓器の奇形や発育異常、結石、感染症、外傷、神経障害、機能障害、癌や良性腫瘍などの診断治療を行っています。

これらの病気の心配があるようなときは、どうぞ泌尿器科を受診されて下さい。

急性膀胱炎・急性腎盂腎炎・膀胱尿管逆流現象

成人女性では急性膀胱炎が多く、時に腎盂腎炎になることがあります。

急性膀胱炎は水分を多めに摂るなどで治る場合もありますが、細菌感染ですので2~3日しても良くならない場合は抗菌剤や抗生物質を使用して細菌を除去する必要があります。

急性腎盂腎炎は細菌がさらに腎盂まで逆行性に感染し高熱と背部痛を起こします。

これも細菌を除去するため抗生剤などで治療しますが、治りにくい時や再発を繰り返す時にはその原因を調べる必要があります。

原因には奇形、結石など尿の流れを悪くする物が有ったり、膀胱尿管逆流現象という、尿管の膀胱への出口に異常があり膀胱内の尿が腎盂まで逆流するため腎盂腎炎を繰り返すことがあります。

これは先天性の場合が多く、小児では逆流により腎臓の発育を障害する恐れがあり、逆流の検査を行いあれば、逆流を防止する手術も必要になります。

前立腺肥大症

男性では前立腺の病気が多く高齢化社会を迎えてこれからも増加するといわれています。

前立腺は膀胱と尿道の境目にある腺組織で精液の一部となる分泌液を作る役目があります。

内側の内腺と外側を取り巻く外腺から出来ていますが前立腺肥大症はその内腺が増殖肥大した状態を言います。

良性の腫瘤で癌化することも有りませんが、真ん中を通る尿道を圧迫して排尿異常を起こします。

五十才頃から肥大が始まり六十才頃より症状が出てくる事が多く、夜間頻尿や排尿に時間がかかる、残尿感などの症状が出現します。

さらに進むと膀胱に溜まった尿を全く出せない尿閉となる場合があります。

尿閉はアルコール飲んだ後に突然起こる事もあります。また、残尿が多くなると腎臓に負担が掛かり腎機能障害を生ずる危険性もあり、尿が出るからと我慢することは良くありません。

高度の場合は手術となり内腺部分を切除したり摘出することで改善しますが、早期であればアルファーワンブロッカーという尿道前立腺部の抵抗を減らし排尿状態を良くする薬があり、自覚症状や残尿を改善出来ます。
この薬を飲みながら経過をみる事が多くなりました

過活動膀胱

最近、過活動膀胱という言葉が良く見られるようになりました。以前は神経性頻尿、急迫性尿失禁とか言われておりましたが、2002年に用語の統一が行われ、「尿意切迫感を有し、通常は頻尿および夜間頻尿を伴い、切迫性尿失禁を伴うこともあれば伴わないこともある状態」を過活動膀胱とされました。

これはいわゆる症状をまとめた症候群で、病因としては神経因性の脳血管障害など脳中枢によるもの。また、脊髄損傷など脊髄の障害によるもの。非神経性として下部尿路閉塞、加齢、骨盤底の脆弱化などがあるとされています。

病因はどうあれ、最近これに効果のある副作用の少なくなった抗コリン薬といわれる新薬が次々と発売され一定の効果を上げております。

前立腺癌

前立腺癌は前立腺の外腺部分から発生する事が多く十数年前は肛門から診察する直腸診で見つかる事がほとんどでした。

現在でも進行したものは直腸診で癌の疑いと診断される時も有りますが、最近は血液検査でPSAという前立腺癌特有の腫瘍マーカーを測定することにより前立腺癌が発見されるようになりました。

当院でも人間ドックの検査項目に入れています。ただPSAが高いからすぐ前立腺癌であるとは診断出来ませんので、確定診断するためには、前立腺の一部を生検針という特殊な針で六~十二カ所位採取して癌細胞の有無を調べる必要があります。

 最近はこのマーカーのおかげで早期癌が見つかるようになり、治療として七十才迄であれば前立腺全摘除術を行い完治できるようになって来ました。

しかし、七十才以上の場合は寿命との関係で根治手術の意義があるのかどうか難しいところがあります。幸い、この癌はホルモン依存性の癌で男性ホルモンが癌を進行させる作用があり、女性ホルモンは癌を萎縮させる作用があります。

これを利用した抗男性ホルモン療法がかなり効果があるため、手術をせず抗男性ホルモン療法で経過を見ることが行われます。

 

前立腺炎・尿道炎

成人男性では前立腺炎が良く見られます。前立腺炎は前立腺に細菌が感染し生じますが急性では高熱と膀胱炎の症状が出ます。

慢性では下腹部の不快感などはっきりしない症状が特徴です。性感染症の淋菌性、クラミジア性尿道炎も継続的に見られます。

いずれも薬剤投与、主に内服薬で治療しますが、淋菌は最近耐性を持ったものが多くなり、注射薬が必要になる場合もあります。

包皮炎・真性包茎

小児の場合は陰茎包皮が赤く腫れて痛がる包皮炎が多くあります。

小児では包茎の状態のため包皮の粘膜と亀頭部の間に垢が溜まりやすく、これに細菌感染して化膿し腫れたり痛む状態です。包皮をめくり綺麗にすれば治りますが、この部分に癒着が有るときは剥がして再発しないようにする必要があります。

また、包皮が全くめくれない真性包茎の場合は狭い部分を切開したり切除する手術を行い包皮炎の再発を防ぐだけでなく成人したときの性生活に差し支え無いようにしておく必要があります。

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