脳卒中はかつて死亡原因の第1位でしたが、次第に減少してきました。ただ、現在も年間約11万人が脳卒中で亡くなっております。また、要介護の最大原因が脳卒中であり、特に介護度の高い方ではその原因の40%を占めるといわれています。更に脳卒中の総患者数は270万人と推定されています。
脳ドックでは少しでもこのような病気を防ぐため、予防及び治療可能な疾患がないか、脳をチェックします。検査は当院の1.5テスラ(テスラとはMRIの磁場強度を表し、数字が大きいほど詳しい検査ができます。)を用いて、脳、脳血管、頚部血管を調べます。
先にお話したような脳卒中の中で、脳の血管が詰まる「脳梗塞」の場合、脳、頚部の大きな血管が細くなっている時には、薬の投与や手術、血管内手術で治療を行うことにより「脳梗塞」となる可能性を低下させることができます。また、脳動脈のコブが破裂して起こる「クモ膜下出血」でも同様に開頭術、血管内手術で破裂前に処置することにより、予防可能となります。
その他に歩行障害、物忘れ、尿失禁等を引き起こす「特発性正常圧水頭症」、頭の中にデキモノができる「脳腫瘍」等も検査でわかります。
何より、検査で「異常ないですよ。」といわれた場合、「脳の病気があるのではないか。」という不安から解放されます。もちろん、「脳ドック」はスクリーニング検査という、基本的な検査だけですので、すべての病気や、「明日以降も大丈夫」ということを保障するものではありません。当院では脳の基本的な検査を行い、皆様方に「脳の病気は今のところ大丈夫」という安心感を提供したいと思います。お気軽に「脳ドック」を受けてみませんか?