胃潰瘍を繰り返し治療している患者さんにしばしば遭遇します。胃・十二指腸潰瘍の多くはピロリ菌という細菌が胃の中に感染して生じることが最近わかってきました。この場合、ピロリ菌を退治すること(除菌、といいます)によって潰瘍の再発を予防することが可能です。
当院では胃カメラで潰瘍が見つかった患者さんに対し、ピロリ菌感染の検査を行っています。そして菌が検出されれば除菌治療をおすすめしています。除菌は抗生物質と潰瘍治療薬を1週間内服するのが一般的で、その後は潰瘍治療のための内服を7週間行います。
この治療で約9割の人が除菌に成功しますが、一回目の除菌に失敗した場合には抗生物質を一部変更して除菌することが保険で認められるようになりました。
除菌に成功すれば胃・十二指腸潰瘍の再発はほとんど無く、全ての胃薬から解放された患者さんも多くいらっしゃいます。
この他、鎮痛剤等が原因で胃・十二指腸潰瘍になる場合もあります。
この場合もピロリ菌が感染していれば除菌を行いますが、感染していなければ潰瘍治療単独で治療を継続することになります。