回復期リハビリテーション病棟退院後の在宅生活における変化 当院の回復期リハビリテーション病棟退院後に訪問リハビリテーション事業所を利用した患者さまのFIM(機能的自立度評価法)を評価し、変化が生じているか調査を行いました。 【対 象】令和3年4月1日~令和5年3月31日の期間で当院の回復期リハビリテーション病棟を退院し、当院の訪問リハビリテーション事業所を1年以上利用した患者さま17名 【調査方法】FIM各項目を、Fridman検定、Wilcoxsonの符号付順位検定及びBonferroni法による多重比較補正(有意水準5%) 【基本属性】年齢:平均80.3±10.3歳疾患:脳血管疾患 47.0% 運動器疾患 35.3% 廃用症候群 17.7%在院日数:平均82.3±37.2日帰結先:自宅 88.2% 有料老人ホーム 11.8% 【結 果】 FIM運動項目(退院時/訪問リハビリ開始時/1年後) 【結 果】 FIM認知項目(退院時/訪問リハビリ開始時/1年後) 今回の調査結果からわかったこと 運動項目 排便排便コントロールで有意な改善 認知項目 記憶が有意に向上 回復期リハビリテーション病棟退院後の生活に向け、排便や認知機能の低下を心配されるご家族様が多いですが、元の生活環境に戻ることで精神的な安定などが得られ、改善する可能性があります 退院1年後の機能的自立度(FIM)の低下は見られない 退院後も訪問リハビリテーションによる継続的なリハビリの実施・環境調整へのかかわりで、退院1年後も多くの方が、身体機能や能力が維持された状態で生活ができています 今回の研究を通して、回復期リハビリテーション病棟を退院後、訪問リハビリテーションを利用することで、退院直後も、退院後1年後も、身体機能や日常生活動作能力が、おおむね維持されていることが示されました。これからも退院後の要介護度の悪化を防ぎ、安心して地域での生活が送れるように、積極的に医療・介護の切れ目のない連携に取り組んでまいります。